「毎月給料から引かれている社会保険料、一体何に使われているの?」「もし病気になったら?会社を辞めたら?」
—そんな疑問をお持ちではありませんか?ー
公的保険は、私たちが安心して生活するための重要なセーフティネットです。この記事では、公的医療保険、公的年金、雇用保険、労災保険という4つの主要な公的保険について、その仕組み、加入のメリット、そしてもしもの時にどんな保障を受けられるのかを分かりやすく解説。知っていると知らないとでは大違い!あなたと家族の未来を守るために、ぜひ知っておきましょう。
1. はじめに:なぜ「公的保険」を知るべきなのか?
私たちの給料明細には、「社会保険料」という項目が必ず載っています。毎月引かれているけれど、それが一体何に使われているのか、いざという時にどんな保障を受けられるのか、実はよく知らないという方も多いのではないでしょうか。
「公的保険」とは、国や地方自治体が運営し、国民の生活を保障する目的で加入が義務付けられている保険制度のことです。病気やケガ、失業、老後、そして災害など、人生で起こりうる様々なリスクから私たちを守るための、いわば「社会全体の助け合いの仕組み」です。
しかし、その仕組みを知らなければ、いざという時に必要な保障を受けられなかったり、無駄な出費をしてしまったりする可能性があります。ここでは、私たちが特に知っておくべき主要な公的保険とそのメリットを分かりやすく解説していきます。
2. 私たちを守る4つの主要な公的保険
公的保険には、主に「医療」「年金」「雇用」「労災」の4つの柱があります。
2-1. 公的医療保険:病気やケガの医療費を3割負担で
- 目的: 病気やケガで病院にかかった際、高額な医療費の自己負担を軽減するため。
- 主な種類:
- 健康保険: 会社員が加入する保険。
- 国民健康保険: 自営業者やフリーランス、無職の人などが加入する保険。
- 後期高齢者医療制度: 75歳以上の方が加入する保険。
- 受けられる保障:
- 医療費の自己負担割合の軽減: 原則として医療費の自己負担は3割(年齢や所得により異なる)。
- 高額療養費制度: 医療費が高額になった場合でも、自己負担限度額を超えた分が払い戻される制度。これにより、家計が破綻するほどの医療費負担は発生しないようになっています。
- 傷病手当金: 会社員が病気やケガで働けない場合に、給与の一部が支給される(健康保険のみ)。
- 出産育児一時金、出産手当金: 出産に関する費用や休業中の給与の一部を保障(健康保険のみ)。
- 知るべき理由: 万一の病気や事故で医療費が高額になっても、高額療養費制度があるため、過度な心配は不要。しかし、自己負担分の貯蓄や、さらに手厚い保障が必要なら民間の医療保険を検討する、といった判断ができるようになります。
2-2. 公的年金:老後やもしもの時の生活を支える
- 目的: 老後の生活資金、病気やケガで障害を負った場合の生活保障、契約者が亡くなった場合の遺族の生活保障。
- 主な種類:
- 国民年金(基礎年金): 日本に住む20歳以上60歳未満の全ての人に加入義務がある。
- 厚生年金: 会社員や公務員が国民年金に上乗せして加入する年金。
- 受けられる保障:
- 老齢年金: 原則65歳から受け取れる老後の生活資金。
- 障害年金: 病気やケガで障害を負った場合に受け取れる年金。
- 遺族年金: 契約者が亡くなった場合に、残された遺族が受け取れる年金。
- 知るべき理由: 老後資金の柱となるため、自分の将来受け取れる年金額の目安を知り、不足する分をiDeCoやNISAなどの私的年金や貯蓄で補う計画を立てられるようになります。また、万一の際に遺族年金があることも、民間の死亡保険を検討する上で重要な情報です。
2-3. 雇用保険:失業した時の生活をサポート
- 目的: 失業した際の生活の安定と再就職の支援。
- 加入対象: 労働時間や勤務期間などの条件を満たす労働者。
- 受けられる保障:
- 基本手当(失業手当): 失業中に一定期間、生活費の一部を支給。
- 再就職手当: 失業手当の受給中に再就職が決まった場合に支給。
- 育児休業給付金: 育児休業中の生活をサポート。
- 介護休業給付金: 介護休業中の生活をサポート。
- 知るべき理由: 会社を辞めることになった際、いつから、いくら、どのくらいの期間、失業手当がもらえるのかを知っていれば、安心して次のステップに進むための計画を立てられます。
2-4. 労災保険(労働者災害補償保険):仕事中の事故や通勤災害を補償
- 目的: 業務中や通勤途中の事故(労働災害・通勤災害)によるケガや病気、障害、死亡に対する保障。
- 加入対象: 労働者を一人でも雇っている全ての事業主(労働者は保険料負担なし)。
- 受けられる保障:
- 療養補償給付: 医療費の全額補償。
- 休業補償給付: 仕事を休んでいる間の賃金の一部を補償。
- 障害補償給付、遺族補償給付: 障害が残った場合や死亡した場合の補償。
- 知るべき理由: 仕事中の事故や病気は、医療保険ではカバーしきれない部分があります。労災保険があることで、安心して仕事に取り組めるだけでなく、もしもの際に治療費や生活費の心配を軽減できます。
3. 公的保険を理解するメリット
公的保険の仕組みを知ることは、単に知識が増えるだけでなく、あなたの生活に直結する大きなメリットがあります。
- 無駄な保険料の支払いを防ぐ: 公的保険でカバーされている部分を理解すれば、民間の保険で重複した保障に入る必要がなくなり、保険料の節約につながります。
- いざという時に慌てない: 病気や失業など、もしもの時にどんな保障を受けられるか知っていれば、冷静に対処できます。
- ライフプランを立てやすくなる: 将来の年金額の目安を知ることで、老後資金計画を立てやすくなります。また、出産や育児の際の保障を知ることで、安心してライフイベントを迎えられます。
- 納税者としての意識が高まる: 自分の支払っている保険料が、どのように社会を支えているかを理解することで、より良い社会の仕組みについて考えるきっかけにもなります。
4. まとめ:公的保険は、あなたと家族の「最強のセーフティネット」
公的医療保険、公的年金、雇用保険、労災保険——これらは私たちが日々の生活の中で意識せずとも支えられている、非常に重要な社会システムです。
- 病気やケガの安心(医療保険)
- 老後の生活や万一の保障(年金)
- 失業時の生活支援(雇用保険)
- 仕事中のリスクへの備え(労災保険)
これら公的保険の基本的な仕組みと、どんな保障を受けられるのかを知っていることは、あなた自身と家族の未来を設計する上で不可欠な知識です。ぜひこの機会に、ご自身の保険証やねんきん定期便などを確認し、公的保険への理解を深めて、より安心して毎日を過ごしてください。
コメント